
度々ブログを書かせていただいている、鳥好きの塾生です。
今日は、鳥の標本を始めに、鳥の中身について書いてみようと思います。
モザイク処理を施していますが、カラスの亡骸が登場しますので、一応閲覧注意です。
まずは標本についてです。一口に標本といえどいろいろな種類があります。
鳥類で言えばよく博物館などにある骨格標本や剥製はもちろんのこと、体を真っ直ぐに固定されている仮剥製や美しい羽根標本、果ては足標本なんかもあります。
標本を作る目的としては、やはり学術的要因が大きいようです。
特に鳥に関しては、手に取って観る機会がなかなかありません。捕まえるには環境省の許可を取り、大きな網を張って狙いの種類がかかるまでひたすら待ちます。爬虫類や昆虫などと違い、かなり手間がかかるのです。
その点剥製をたくさん作り、保存しておけば必要な時にじっくりと測定したり、DNAサンプルを採取したりできます。
実際についこの間、正式に絶滅が宣言されたシロハラチュウシャクシギは、狩猟対象になっていたこともあって剥製が数点ほど残されており、研究に役立てられているそうです。鳥類でなくともニホンオオカミなんかの剥製も有名ですよね。絶滅した動物をできるだけ生きていた当時の姿で保存するという意味でも標本を作ることは非常に重要なのです。
ちなみに標本にする鳥の入手方法としては、窓にぶつかって死んだ者などをとっておくのが一般的です。ただ研究目的の場合は、捕獲し殺してしまうこともあるそう。
最近カラスの骨格標本を作製しているため、その画像を例に少し解説してみようと思います。

これはハシボソガラスの雛です。巣から落ちてしまったのか、道端で息絶えていたところを発見しました。
標本を作るにはまず切り開く必要があります。鳥類の場合、胸に竜骨突起と呼ばれる骨があります。空を飛ぶために大きな胸筋があるため、それを支える役割を担っている骨です。
その骨に沿って刃を入れ、表面の皮膚のみを剝ぎ取っていきます。胸から始めることには、竜骨突起がガイドになるだけでなく、抱卵のため羽毛が薄く、扱いやすいというメリットもあります。(羽毛で温めるよりも皮膚で直接温める方が効率が良いため、鳥には抱卵班と呼ばれる剥げた部分があります。)
画像はちょうど胸を開く段階のものです。
骨格標本の場合はこの調子ですべて皮膚を剥ぎ、丸鶏状態にしていきます。そのあとは除肉し、水や薬品につけて組み上げ、完成です。
最後にもう一つ胸辺りにある骨についての面白い話を書いて終わりにしようと思います。
鳥類には叉骨と呼ばれる骨があります。人間でいう鎖骨がつながりV字になったものです。首元にあり、羽ばたく際の補助的役割を果たします。
そしてこれは鳥類特有の物であると考えられていました。
少し時をさかのぼり1860年代、世紀のパラダイムシフト「種の起源」が出版された少しあとくらいに、トマス・ハクスリーという学者が鳥類は恐竜の子孫だ!と主張したのです。そしてその主張の裏付けとなったのがこの叉骨でした。最初は恐竜には叉骨がないと思われ、仮説を否定する根拠となっていましたが、見落としていただけで恐竜にもあったことが後に分かり、他にも様々な類似点が見つかったことによって恐竜=鳥類説は確実なものになりました。当時は馬鹿げた仮設だと思われていましたが、今ではジュラシックワールドにも羽毛恐竜が出演するくらい当たり前のものとして受け入れられています。
そしてこの恐竜=鳥類という表現は全く誇張ではありません。ただこの話をするとさらに脱線し長くなってしまうので、また別の機会に書こうと思います。
進化論を中心とした恐竜と鳥類に関する歴史はとても面白いものが多いので、これもまたいつか書きたいなと思っています。
少し長くなりましたが、鳥の中身はそれだけ面白いものだということで、終わりにしようと思います。


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